こんにちは!今回はArch Linuxの初期設定とデスクトップ環境のセットアップについて書き残しておこうと思います。
前回の「Arch Linuxのインストール」をご覧になってからの方が、スムーズに読み進められるかもしれません。
X Window SystemやDisplay Managerの導入など…
Ubuntu等のディストリビューションであれば自動でやってくれるところをいじる必要がありましたが、その分勉強になりました!
【目次】
初期設定
初期設定と題して、次のような設定を行いました。
- keymapの設定
- ユーザ設定
- ミラーの選択
- 無線の設定
- AURヘルパーのインストール
keymapの設定
まずはkeymapを適切なものに変更します。
# localect set-keymap --no-convert jp106
その他のkeymapを使用する場合は、
“/usr/share/kbd/keymaps/”に一覧があります。
ユーザ設定
次に、rootユーザを使い続けるのはあまりよろしくないので、普段使い用のユーザを作成します。
# useradd -m -U -s /bin/bash ユーザ名 # passwd ユーザ名
各オプションの意味は次の様になります。
・-m …ホームディレクトリを作成
・-U …ユーザ名と同名グループを作成
・-s …シェルを指定
この辺りはよく使うので、覚えておいて損はないかなと思います。
sudo権限の編集
デフォルトでは、作成したユーザにsudo権限が付与されていません。
今回は個人用パソコンなので、フルでsudo権限を付与します。
sudo権限は”/etc/sudoers”を編集して操作することが可能です。
今回は、次のようなエントリを追記します。
# vi /etc/sudores ------------------------------- ユーザ名 ALL=(ALL) ALL
これでユーザ設定は完了です。
ミラーの選択
参考: https://wiki.archlinux.org/index.php/Mirrors
今回は、ミラーリストを編集して、日本のミラーを優先的に選択するように設定します。
ミラーリストは”/etc/pacman.d/mirrorlist”にあります。
次の内容を先頭の方に追記してください。
# vi /etc/pacman.d/mirrorlist --------------------------------------------- ## Japan Server = http://mirrors.cat.net/archlinux/$repo/os/$arch Server = https://mirrors.cat.net/archlinux/$repo/os/$arch Server = http://ftp.tsukuba.wide.ad.jp/Linux/archlinux/$repo/os/$arch Server = http://ftp.jaist.ac.jp/pub/Linux/ArchLinux/$repo/os/$arch Server = https://ftp.jaist.ac.jp/pub/Linux/ArchLinux/$repo/os/$arch Server = https://jpn.mirror.pkgbuild.com/$repo/os/$arch
コマンドで最適なミラーを選択する方法もあるので、公式wikiを参考にしてみるといいと思います。
インターネットの設定
参考: https://wiki.archlinux.jp/index.php/NetworkManager
次にインターネットへの接続を確保します。
無線接続の場合は少しネットワーク周りの設定が必要です。
前回の記事でNetwork Managerをインストールしていれば、次のコマンドで有効になるはずです。
# systemctl enable NetworkManager.service
次にWi-Fiの設定を行います。
# nmcli dev wifi connect SSIDを入力 password パスフレーズを入力
これでインターネットに接続できると思います。
次はGUI用のネットワーク管理ツールをインストールします。
# pacman -S nm-connection-editor network-manager-applet
これらの設定方法については割愛しますが、これでGUI環境が整った後、簡単にネットワーク設定を行うことが出来ます。
NTPの設定
参考: https://wiki.archlinux.jp/index.php/Network_Time_Protocol_daemon
今回はNTPサーバ(プール)の指定と、サービスの起動を行います。
NTPサーバとして動作させたい場合はwikiを参照してみてください。
まずはパッケージをインストールします。
# pacman -S ntp
NTPサーバの指定は、”/etc/ntp.conf”に記述して行います。
次のように書き換えます。
# vi /etc/ntp.conf ----------------------------------- server 0.jp.pool.ntp.org iburst server 1.jp.pool.ntp.org iburst server 2.jp.pool.ntp.org iburst server 3.jp.pool.ntp.org iburst
サービスを起動します。
# systemctl enable ntpd.service
最後に、同期できているか確認します。
# ntpd -p
同期しているサーバの左側に「*」が表示されるはずです。
同期開始まで17分程度掛かることもあるようなので、上手くいかないときはしばらく待ってみてください。
AURヘルパーのインストール
Arch Linuxの魅力の一つに、ユーザリポジトリ(AUR)が充実していることが挙げられます。
通常、AUR上のパッケージは手動でビルドする必要がありますが、それは面倒なのでAURヘルパーを用いてインストール・管理を行います。
今回は、有名どころで開発も続いている” yay “をgitからインストールします。
# pacman -S git # git clone https://aur.archlinux.org/yay # cd yay && makepkg -si
-s は依存関係を解決、-iはpacmanによりインストールするオプションです。
デスクトップ環境の設定
参考:https://wiki.archlinux.jp/index.php/Xorg
Arch Linux上にGUI環境を構築するには、次の要素が必要です。
・Video driver
・Window System (Xorg)
・Display Manager (LightDM)
・デスクトップ環境 (Xfce4)
それぞれ説明していきます。
Video Driverのインストール
ビデオドライバをインストールする前に、自身のPCのGPUを確認する必要があります。lspciコマンドで確認できます。
# lspci | grep -e VGA VGA compatible controller: Intel Corporation 3rd Gen Core processor Graphics Controller
今回は、Intel CPUに内蔵のGPUを使用していることがわかりました。
この結果により、選択するパッケージが変わってきます。
詳しくは:https://wiki.archlinux.jp/index.php/Xorg#.E3.83.89.E3.83.A9.E3.82.A4.E3.83.90.E3.83.BC.E3.81.AE.E3.82.A4.E3.83.B3.E3.82.B9.E3.83.88.E3.83.BC.E3.83.AB
続いて対応するビデオドライバをインストールしていきます。
Intel CPUの場合は”xf86-video-intel”を選択します。
# pacman -S xf86-video-intel
Window Systemのインストール
Window Systemは、タスクに対してウィンドウを割り当て、並行して動作させるシステムのことです。
今回は、Linuxでメジャーなウィンドウシステムである”X Window System”のオープンソース実装である”Xorg“をインストールしていきます。(ちょっとややこしいですね…)
# pacman -S xorg-server xorg-apps xorg-xinit xorg-xclock xorg-twn xterm
xorg-serverとxorg-appsは必須です。xinitは、xclockやtwn…を起動するために使われます。
インストールが完了したらテストしてみます。
いくつかウィンドウが表示されれば成功です。
# startx
Display Managerのインストール
参考:https://wiki.archlinux.jp/index.php/LightDM
Display Managerは、GUIのログイン等を提供してくれます。
今回は軽量なLightDMをインストールします。
# pacman -S lightdm-gtk-greeter lightdm
次に、”/etc/lightdm/lightdm.conf”を編集します。
# vi /etc/lightdm/lightdm.conf ----------------------------------------------------- [Seat:*] # Add Settings greeter-session=lightdm-gtk-greeter # End
これでディスプレイマネージャの設定は完了です。
デスクトップ環境のインストール
参考:https://wiki.archlinux.jp/index.php/Xfce
最後に、デスクトップ環境をインストールしていきます。
Linuxでは様々なデスクトップ環境がありますが、今回は”Xfce4″をインストールします。
# pacman -S xfce4 xfce4-goodies gvfs pulseaudio pavucontrol # yay -S gamin
gvfsはゴミ箱機能を、pulseaudioとpavucontrolはオーディオ機能を提供します。
gaminは推奨されるウィンドウマネージャです。
ここまで完了すれば、再起動するとGUI環境が立ち上がります。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
他のディストリビューションに比べて、必要な初期設定が多い気もしますが、大変な分勉強になると思います!
今回は日本語入力設定をしていないですが、したほうが良いと思います(笑)
他にも何かしたほうが良いよ~という設定等あれば教えていただきたいです!
最後までありがとうございました!